ディスカッション:アーティスト・ブックとパフォーマンス

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ワークショップBにご参加されたアーティストの皆さま、お手伝いいただいた皆さま、終了予定時刻を越えながらもこころよく会場を提供いただいたCaloさま、本日は大変ありがとうございました。

フランクリン・ファーネイス(FF)のディレクターであるマーサ・ウィルソンを囲んで、アーティスト・ブックやパフォーマンス・アートにかかわりの深いアーティストが各自の表現についてプレゼンテーションを行うというのが本日の企画の趣旨でしたが、そこで披露いただいたそれぞれの作品でもうひとつの展覧会ができそうなほど、アーティスト・ブックの多様さと奥の深さを垣間見ることができました。

まずはじめに、マーサによるFFコレクションの紹介です。ここでは中之島図書館とcaloの展示では全て見せることのできなかったFFコレクションのなかから、greatest hitsともいうべき代表作をいくつかピックアップして、画像をみながら説明をききます。紹介された作品は、1970年代にアメリカで出版されたものを中心に、写真集的なものから、コンセプチュアルなものまで多岐にわたります。

マーサ曰く、FFでアーティスト・ブックを蒐集する際の基準は「ない」とのこと。アーティストが「本」といえば「本(アーティスト・ブック)」としてコレクションに加えていきます。そこで集まってくる作品は、文字通り多種多様ですが、とくに際立っているのが「政治的」な傾向。1960年代から1970年代のカウンターカルチャーの影響をはっきりと見て取ることができるといえます。当時「本」としての芸術作品に見出された希望/野望のひとつは、その複数性と民主性。一点ものとしての芸術作品ではなく、複製され、廉価で容易に入手することができるアーティスト・ブックは、限られた一部の鑑賞者でなく、より多くの人の手にわたることが目的とされていました。

つづいて、参加頂いたアーティストの方々のプレゼンテーションです。ブック・オブジェ的なもの、パフォーマンスのドキュメンテーション的なもの、インスタレーションの空間すべてを「本」のページとしてとらえるもの、そして制作過程が極めてパフォーマンス・アート的なものなどなど、それぞれ説明をききながら参加者がお互いの作品を実際に手にとって「見る/体験する」ことができました。

今回のディスカッションを終えて、アーティスト・ブックを「展示」する困難さのようなものも感じています。もちろんcaloの展示では、実際にふれてページをめくって見て頂くことが出来ますが、それらの「本」はもともと展示されるためにつくられたものではなく、もっと個人的でインタラクティヴな関係性を秘め、「本」と私たちの生み出す行為がパフォーマンス的な要素を孕んでいるからです。もしかしたら、今日みたいに、友だちとわいわいおしゃべりしながらとか、自分の部屋でゆっくりしながら見るのが、アーティスト・ブックにはぴったりなのかも…。うーむ、もうちょっと考えてみつつ、夜はふけていきます。(つづく)

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by bookartpicnic | 2010-01-27 02:11 | ブックアートピクニック2009